「ずる 嘘とごまかしの行動経学」を読んだ
最近「行動経済学」という単語が気になっていたので、ダン・アリエリー著の本をいくつか読んでいる最中。これはその中の1つ。
人は何故「ずる」をするのかということを様々は社会実験を通してあきらかにしていく。
予想どおりに不合理の方が先でてるけど、タイトルからこちらを先に読んでしまった。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/08/23
- メディア: 文庫
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自分が素晴らしい人間だと思い込みつつ「ずる」をすることで利益も得たい
ほんの少しだけ「ずる」をするときには自分自身に対して「ずる」をしたことを正当化しようとする。そうすることで、自分自身に後ろめたい事をしたわけではないと言い聞かせる。これは「認知的柔軟性」というものが絶妙なバランスを保つ役割を持っている。
自分の中でどこのラインで正当化しているのかを認識するのはとても重要なことだが、それは対象や環境によってすごく左右されるということだった。
どうすれば「ずる」を減らすことができるか
ただ単純に道徳規範を思い出させるだけでも持続時間は短いものの効果はあるという結果があるようだ(例えば署名など)。今やろうとしていることが自分にとって「正しいこと」なのかどうかを常に考えてから行動できる人はきっと「ずる」も少ないんだろう。
割れ窓理論
この理論が伝えたいのは、窓が割れたままの建物を放置しておくと治安が悪くなる、ということではなくて、小さな犯罪を容認・看過・容赦はすべきではないということ。
「ずる」は感染性があるので、人の目に触れることが多い人や立場が上の人の「ずる」に影響されないようにする必要がある。さらに「ずる」は1人でやるよりも集団でやることの方が多い。しかし、協働や集団行動は社会生活には欠かせないものでもある。
「ずる」は人間である以上どこかで必ずやってしまう。どうやって自分の中の「ずる」のラインを引き、判断していくのかは、こういった知識や訓練すること意識できるようになっていくんだと思う。
少しずつごまかす大勢の人達とたくさんごまかす少数の人たち
実は経済的な損失は少しずつごまかす大勢の人達の方が影響が大きいという。少しずつごまかすということは近視眼的には本当にちょっとに見えるかもしれない。でもそれが大勢の人が少しずつ何度も「ずる」をすることで、損失が大きくなってしまうという。
不正をつくる要因図
これを見た時に不正を促す要因の方がはるかに多く、不正を促すかかどうかに影響しない要因も含めると、人間はとても不正をしやすい生き物なんだとつくづく思う。
自分自身や他人・組織の不正をうまく抑えるように不正を減らす要因をうまく使うことは結構難しいのではないかと思う。
不正を減らす要因の一つである「道徳心を呼び起こすもの」は自分の中で確固たるものを持ってなり、身近に目に入るところに配置するなりしておきたい。
ダン・アリエリーはTEDもおもしろい。