「ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」を読んだ
今年から読んだ本はちゃんとその時の感想を残しておこうと思う。読書感想を続けられるように善処したい…
- 作者: リチャード・シェリダン,原田騎郎,安井力,吉羽龍太郎,永瀬美穂,川口恭伸
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ちゃんと日の目を観られて、楽しんで使ってもらえて、意図した人々に広く普及するものをデザインし、作り上げること。それが喜びである。」
特定の業務を対象としたソフトウェアの開発をしていると、
- 誰のためのソフトウェアなのか?
- ソフトウェアを使っている人は幸せなのか?
といったことを考えずに開発が進んでしまいがちで、「何のためにソフトウェア開発をしているのか?」というのがわからなくなってくる。
そんな風に開発しているとユーザからのフィードバックでネガティブなものがくることも多く、繊細な自分としては、なかなか精神的なダメージが大きい…
そのネガティブなフィードバックはすぐに改善できるわけでもなく、半年や1年と経ってからようやく着手できるウォーターフォールのような開発プロセスだったりするとさらに辛い…
辛いソフトウェア開発はたまにはあるかもしれないけど、喜びを感じられないソフトウェア開発がずっと続くと思うと正直しんどい。
「変わらずそのままでいるリスクは、変化のリスクよりすっと大きい」
自分はそう思う。そう思わない人もいるだろう。きっと大半の人は変化しない方が良いと思っているに違いない。でも自分は違う。今のままでいる方が怖いし、今のままが続くことの方が怖い。
ただし、変化の中でサバイバルをするのではなく、耐えるでもなく、もちろん流されるでも拒むでもない。「変化を抱擁する」ことを心掛ける。 *1
「特定のテクノロジーに偏向したり、不必要にこだわったりもしない」
ソフトウェア業界は最新の技術を追いかけている人たちもいる。業界によってはそれはちょっと敬遠されてしまうことで、ある程度枯れた技術が好まれる場合もある。
でも、枯れすぎた技術のままでいるのもダメ。もう枯れてしまった技術の世話をすることは、負債を返すだけで未来への投資ではない。負債を返している「だけ」の人はその内きっと病んでしまうと思う。
技術の選択については、いつどんなときもその時に最適な選択ができれば良いけど、それはかなり難しいのは承知の上。だからそういう時は1人で考えずにチームで考える必要があると思ってる。ただ、自分が「知識の塔」になってしまっているとなかなか難しいんだろうな…
組織によっては技術的負債を返済する人が「知識の塔」である場合も結構あるような気がする。組織はそういう人がいたらほんとリスペクトしてあげてほしい…
「技術でより良い豊かな生活を」
自分がソフトウェアエンジニアでいる上で、重要なことはコレだと思っている。目指すべき方向は見失わずに生きていきたい。でもそういった技術を提供するために、本書のメンロー・イノベーションズのような会社が必要になってくるんだと思う。
中には技術的な話も少しはあったけど、これからの時代の会社や組織のあるべき理想が詰まった本だった。個人的にも思い描いている理想の環境が描かれていた。
マネージャや経営に携わる人だけでなく、自分のような一介のエンジニアが読んでもこの本から学べることはとてもたくさんあった(さらに巻末の本の紹介やTEDも参考になる)。
精神的にも最近かなりお疲れな自分としては、隣の芝生が青く見えるどころか、楽園にすら思えた。こんな会社日本にあるのだろうか…
宝くじで3億円あたってもそこで働きたいという場所が、自分が生きてる内に見つかるかどうか…
- 作者: ケントベック,シンシアアンドレス,Kent Beck,Cynthia Andres,角征典
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2015/06/26
- メディア: 単行本
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*1:エクストリーム・プログラミングをちらっと読み返したら「Embrace Changes」は副題?で目次とかにはなかった